FP2級の相続・事業承継の覚え方とは?重要ポイントや計算式を解説

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FP2級試験の相続問題は用語が覚えにくくて難しい。
贈与税や相続税の計算でいつも間違えてしまう。
会社の事業承継は経験したことがなくてイメージがわかないなぁ。

今回はそんな悩みを解決する記事をお届けします。

FP2級の学科試験における相続・事業承継は、多くの人が難しいと感じる分野です。

この科目は相続税と贈与税の計算問題が厄介なうえ、3級では出題されなかった事業承継に関する知識をつけなければなりません

そこで本記事では、FP2級の相続・事業承継の覚え方や試験問題のポイントについて解説します。




目次

FP2級の相続・事業承継はなぜ難しいのか?

はじめにFP2級の相続・事業承継はなぜ難しいのか、具体的な理由を解説します。

相続税・贈与税の計算がややこしい

相続・事業承継では、相続税、贈与税の計算問題が出題されます。

筆記だけでなく、実技でも出題頻度の高い分野です。

相続税の計算では誰が法定相続人になるのか、法定相続分は何割なのか、しっかりとマスターする必要があります。

また、死亡保険金の非課税限度額、遺産に係る基礎控除額などのルールや計算の流れを覚えなければ、答えは導き出せません。

贈与税の計算も、基礎控除、配偶者控除の特例、相続時精算課税制度など覚えるべき事項が多くあります。

単純な計算式ではなく、法律で定められたルール、控除や特例をすべて把握しなければならないため、慣れるまでに時間がかかるでしょう。

ややこしいですが、ルールさえ覚えてしまえば、計算自体は難しくないので、得点源になる可能性もあります。

暗記すべき数字が多い

相続税・贈与税の計算も含め、この分野では暗記すべき数字が多いという特徴があります。

たとえば以下のような数字です。

相続時精算課税制度
贈与した財産の合計額:2,500万円まで
贈与された財産の相続時評価額:2,500万円まで

暦年贈与
年間の贈与税の基礎控除額:110万円

相続税・贈与税
相続税の基礎控除額:3,000万円+600万円×法定相続人の数
贈与税の基礎控除額:110万円
相続税の累進税率:10%~55%
贈与税の累進税率:10%~55%
相続税の配偶者控除額:1億6000万円まで

これだけ多い数字を単純に暗記しようとしても難しいでしょう。

似たような数字も多いため、何かと関連付けて覚えなければ、混同してしまう可能性も高いといえます。

FP2級の相続・事業承継の覚え方

相続・事業承継では法律で定められたルールや計算式を暗記することが重要です。
以下に覚えるためのコツを紹介します。

自分の家をモデルにしてみる

相続分野では祖父母や両親が亡くなった場合、誰にどの程度の遺産が分配されるのか、計算する力が問われます。

遺産配分のルールを覚えることはさほど難しくありませんが「このケースではこうなる」というような、イメージを持つ必要はあります。

実際に問題を解くときは、頭の中だけで計算しようとするとケアレスミスをする可能性が高いので、家系図などの絵を書いて計算することをおすすめします。

また、自分の家族をモデルにして、自分の祖父母や両親の遺産を相続するケースなどを考えてみると訓練になります。

なぜそうなるのかを問いかける

相続税や贈与税の計算で適用される特例や控除などは、何かしら必要性があって設けられています。

なぜこの制度があるのか、理由を把握すると頭に入りやすくなります。

理由を知らずに漠然と数字だけ暗記しようとしても覚えにくく、すぐに忘れてしまうでしょう。

ひたすら問題を解く

後はひたすら問題を解いて、覚えていくしかありません。

覚えにくい数字もありますが、とにかく数をこなしていけば自然と記憶に定着します。

特に計算問題は過去問をたくさん解けば、ある程度パターン化された問題が多いことに気づくでしょう。

実技で出題される相続税の計算問題は、複雑な問題も多い傾向があります。

本番で時間をロスしてしまう可能性もあるので、過去問などを通して問題を解くコツをつかんでおきましょう。

FP2級の相続・事業承継の出題ポイントは?

FP2級試験の相続・事業承継の出題ポイントを紹介します。
この他にも重要な点はありますが、特に以下の3つは必ず抑えておきましょう。

法定相続分と相続税の計算

相続分野における法定相続分と相続税の計算は3級でも出題されましたが、2級ではより複雑さが増しています。

まず絶対に覚えるべき計算式として、以下の2つがあります。

暗記すべき計算式
  • 死亡保険金の非課税限度額:500万円×法定相続人の数
  • 遺産に係る基礎控除額  :3000万円×600万円×法定相続人の数

また、法定相続分は以下の内容をしっかりと覚えておきましょう。

相続人法定相続分
配偶者と子配偶者=1/2、子=1/2
配偶者と直系尊属配偶者=2/3、直系尊属=1/3
配偶者と兄弟姉妹配偶者=3/4、兄弟姉妹=1/4

なお、被相続人と父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の両方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1となります。

贈与税の計算

贈与税の計算は確実に出題されるテーマです。

暦年課税の場合、基礎控除として110万円が控除される点は必ず覚えておく必要はあります。

また、配偶者控除、相続時精算課税制度も理解しておくようにしましょう。

贈与税の配偶者控除の条件
  • 婚姻期間が20年以上であること
  • 居住用不動産または居住用不動産を取得するための金銭の贈与であること
  • 取得の翌年3月15日までにその居住用不動産に居住し、その後も引き続き居住する見込みであること
  • 一定の事項を記載し、一定の書類を添付した申告書を提出すること

なお、以下の2点はよく試験で出題されます。

  • 贈与税には物納制度はない。
  • 申告書は贈与を受けた翌年2月1日から3月15日までの間に、贈与を受けた人の住所地の所轄税務署長に提出しなければならない。

申告書の提出期限は所得税の提出期限(2月15日から3月15日)と異なるので、混同しないように注意しましょう。

事業承継対策

事業承継はFP3級試験では対象外の分野でした。

FP2級試験では確実に数問出題されますが、ポイントを理解しておけば決して難しくないので、確実に点数を稼げるようにしましょう。

事業承継対策では「自社株対策」「株式公開(株式上場」の2つについて問われますが、特に自社株対策に重点を置くようにしてください。

具体的には株価対策、株数対策、納税対策の3つの把握が大切です。

株価対策
  • 類似業種比準価額の引き上げ
  • 純資産価額の引き下げ
  • 会社規模区分の変更
  • 資産構成の変更により特定会社に該当しないようにする
株数対策
  • 自社株の生前移転
  • 自社株の生前贈与の活用
  • 従業員持株制度の活用
納税対策
  • 役員退職金などの活用
  • 生命保険への活用
  • 相続財産の売却
  • 自己株式の取得
  • 自社株の物納
  • 納税猶予の活用

まとめ

相続・事業承継は覚えるべき数字が多く、捨て科目にしてしまう方も多いでしょう。

しかし、計算式や特例、控除などポイントを押さえてしまえば、計算自体は決して難しくありません。

また、相続分野は自分の将来に関係する内容が多いので、試験対策だけでなく、自分自身の人生に役に立つことも多いでしょう。

なお、短期間で合格したい方は通信講座の利用をおすすめします。

以下の記事でFP2級試験おすすめの通信講座を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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