FP2級試験の金融資産運用は聞き慣れない用語が多くて頭に入らない。
用語を覚え方や試験問題を解くコツはないのかな?
今回はそんな悩みを解決する記事をお届けします。
FP2級の学科試験において一般的に難しいと言われているのが、金融資産運用です。
この科目では株式投資や投資信託に関する問題が多く出題されるため、投資や資産運用の経験が乏しい方にとっては、イメージしにくいと感じるでしょう。
そこで本記事では、FP2級の金融資産運用における用語の覚え方や試験問題のポイントについて解説します。
FP2級の金融資産運用はなぜ難しいのか?
はじめにFP2級試験の金融資産運用が難しい理由を解説します。
専門用語が多い
金融資産運用が難しい理由の一つとして、専門用語が多い点があげられます。
これらは実際に株式投資や資産運用を行った経験のある方であれば、知っている用語が多いかもしれません。
しかし、経験のない方にとっては初めて耳にする用語も多いと思いますので、細かい用語の理解から始める必要があります。
用語の意味を知らずにテキストを読んでも内容は理解できません。
金融資産運用はFP3級試験でも出題されますが、3級よりもかなり多くの専門用語を覚えなければなりません。
計算問題が出題される
金融資産運用では計算問題も出題されます。
具体的には債権の利回り計算、預貯金の利息計算、株式投資の評価指標の計算などです。
上記の計算問題はFP3級でも出題されましたが、2級ではより複雑な計算となります。
ただし、計算問題はある程度パターン化されているので、何度も繰り返し問題を解くことが重要です。
マーケット環境の理解が求められる
マーケット環境の理解に関する問題も必ず出題されます。
たとえば景気動向指数、株式や債権とマーケットとの相互関係、金利の決まり方などの理解を問う問題が出ますが、日頃からマーケットに興味関心を持っている方でないと、わかりにくい分野です。
「金利が上がったらどうなる?」「債権が上がったらどうなる?」など、実際にマーケットの動きをシミュレーションする力が重要です。
しかし、マーケットに関する前提知識がないとシミュレーションも行えないため、時間がかかる分野といえます。
金融資産運用に関わる用語の覚え方
金融資産運用では専門用語を理解することが重要です。
そこで用語を覚えるためのコツを紹介します。
用語の意味を理解する
初めて聞く言葉を単に暗記しようとしても、まず覚えられなせん。
専門用語を覚えるときは、その言葉の意味を理解することが大切です。
たとえば「リスクプレミアム」という言葉は、リスクの高い資産に投資するときに期待できる利益のことですが、なぜリスクの高い資産に投資すると利益が高くなるのか、そのメカニズムを考えると覚えやすくなります。
リスクの高い資産は、需要が低くなりますが、需要が低いと価格が下がります。
一方、価格が下がると利回りが上がり、利回りが上がると利益が高くなります。
つまり、リスクプレミアムは、価格と利回りの関係から生まれるものだということがわかります。
関連する事例とセットで覚える
関連する用語や事例を一緒に覚えることも効果的です。
たとえば「バリュー株」は割安な株式のことですが、「グロース株」は成長性の高い株式のことです。
この2つの言葉は対比的な用語ということです。
バリュー株は安定した収益や配当を期待できますが成長率は低く、グロース株は将来的な収益や市場シェアの拡大を期待できますが、配当は少ない特徴があります。
対比的な言葉を一緒に覚えると、それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解しやすくなります。
また、バリュー株やグロース株の代表的な企業や業界を例に挙げると、イメージしやすくなるでしょう。
問題を解いてアウトプットする
テキストを読み理解したつもりだったが、実際に過去問をやってみたら解けなかったというのは、よくあるケースです。
専門用語を覚える際にも、問題を解いてアウトプットすることが重要なので、ある程度用語を覚えたら問題集や過去問に取り掛かってみましょう。
実際に問題を解くことで、苦手なポイントも見えてくるので、効率的な学習を行えるようになるでしょう。
金融資産運用の出題ポイントとは?
FP2級試験の金融資産運用の出題ポイントを紹介します。
この他にも重要な点はありますが、特に以下の3つは必ず抑えておきましょう。
投資信託の分類や運用スタイル
投資信託はFP2級試験の金融資産運用において、重要なテーマです。
基本的な仕組みを把握して、投資対象の分類や運用スタイルなどを理解しておきましょう。
投資信託では、まず以下の2つの投資対象による分類を理解する必要があります。
- 株式投資信託 :株式を組み入れることができる投資信託
- 公社債投資信託:株式を組み入れない国債、地方債、社債などの債権を中心とした投資信託
続いて2種類の運用スタイルの違いも把握しておきましょう。
- アクティブ運用:ベンチマーク(国内株式の場合、TOPIXなどの指標)以上の収益を目指す運用スタイル
- パッシブ運用 :特定の指標(TOPIXなど)と同様の投資成果を目指す運用スタイル
さらにアクティブ運用ではトップダウン・アプローチ、ボトムアップ・アプローチという手法の違いもありますが、まずは2種類の投資対象、2種類の運用スタイルの特徴と違いを把握することが大切です。
債券投資の利回り計算
債券投資は債権の仕組みやリスクの把握、そして利回り計算が重要なポイントです。
債券の利回り計算は3級でも出題されましたが、2級ではより難易度が上がります。
まず利回りと価格の関係を把握することから始めましょう。
- 債券の価格が上昇→利回り低下
- 債券の価格が下落→利回り上昇
計算問題に関しては3級と同様、応募者利回り、最終利回り、所有期間利回り、直接利回りの4つの利回りが出題されやすいので、計算方法と各利回りの違いを理解しておきましょう。
株式投資の評価指数
株式投資も重要なテーマです。
株式取引の仕組み、株価指数、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの評価指標の計算を覚えるようにしましょう。
PERやPBRの計算は3級試験でも出題されましたが、改めて復習しておきましょう。
- PER(倍)= 株価 / 1株あたりの純利益
- PBR(倍)= 株価 / 1株あたりの純資産
- ROE (%)= 当期純利益/ 自己資本
- 配当利回り(%)= 1株あたり配当金 / 株価 × 100
- 配当性向(%)= 1株あたり配当金 / 1株あたり純利益株価 × 100
まとめ
金融資産運用は投資や資産運用の経験がない方にとっては、苦手分野になりがちです。
しかし、決して捨て科目にするような難関な分野ではありません。
テキストを読み、問題集を繰り返し解いていけば、確実に点数を取れるようになるでしょう。
また、投資や資産運用の知識を身につけることは、自分自身の人生設計を考えるうえでも重要です。
より豊かな人生を送れる可能性が高まるので、試験のためとばかり考えず、学習することを前向きに考えるようにしてみましょう。
なお、短期間で合格したい方は通信講座の利用をおすすめします。
以下の記事でFP2級試験おすすめの通信講座を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。