宅建試験に合格するだけでは、宅地建物取引士として働くことはできません。
試験に合格した後、都道府県知事への資格登録を行い、取引士証の交付を受けることで、ようやく宅建士としての業務が可能となります。
ただし、2年以上の実務経験のない方は、国土交通大臣の登録を受けた機関が実施する「登録実務講習」を修了し、その証明書を提出しなければ資格登録ができません。
そのため、実務経験のない方は、登録実務講習の内容や合格率、受講の流れも把握しておく必要があります。
そこで本記事では登録実務講習の合格率や難易度、受講の流れについて詳しく解説します。
宅建の登録実務講習とは何か?
はじめに宅建の登録実務講習の基礎知識を紹介します。
登録実務講習とは?
登録実務講習とは国土交通大臣の登録を受けた機関が行う実務講習のことです。
宅建士としての実務スキルを習得するための内容になっており、講習を受講して修了証を取得すると、実務経験の代わりに資格登録が可能になる証明となります。
宅建士の資格登録をして取引士証を取得するためには、試験合格と実務経験(2年以上)が必要なので、経験のない方はすぐに登録ができません。
私も当時、実務経験がなかったので講習を受けました!
そのため、実務経験のない方は、この講習を修了して実務スキルを身につけることによって、資格登録の権利を得る必要があるわけです。
登録実務講習の内容
登録実務講習は以下の3つをクリアすることで修了します。
通信講座
講習(スクーリング)
修了試験
通信講座はテキストを中心とした学習であり、約1ヶ月間で行われます。
教材は実施機関によって異なりますが、レポートを提出する必要はないので、自分のペースで学習に取り組めるでしょう。
講習は1~2日間であることが多いですが、機関により異なるため、事前に確認するようにしてください。
2日目の講習後に修了試験(正誤式、記述式の2種類)が行われますが、この試験に落ちてしまうと、修了証は得られません。
登録実務講習は費用も時間もかかるので、必ず合格しておきたいところです。
登録実務講習の合格率や難易度はどのくらい?
では、登録実務講習はどのくらいの合格率なのか、検証していきましょう。
登録実務講習の合格率は?
登録実務講習では講習の最後に修了試験が行われます。
合格の条件は、講習にすべて出席することと、正誤式と記述式のそれぞれの修了試験で80パーセント以上の正解を得ることです。
修了試験に落ちてしまうと、残念ながら修了証は得られず、講習受け直しとなってしまいます。
修了試験の合格率は公表されていないため、正確な数値は不明ですが、どこの機関でも概ね9割以上の方が合格していまるそうです。
不合格になるのは体調不良、講習への不参加などが大半ではないでしょうか。
そもそも落とすような試験ではないので、講師の話をしっかりと聞いていれば、問題なく合格できるでしょう。
ただし、油断は禁物です。
また、登録実務講習では宅建士として必要な法律知識や業務スキルを身につけることが目的なので、将来的に役立つ知識やスキルをしっかりと学ぶ姿勢が求められます。
修了試験に合格するためのポイント
前述したように、登録実務講習の修了試験にはほとんどの方が合格しています。
宅建試験に比べれば、試験難易度は非常に低いといえるでしょう。
試験問題自体が簡単というわけではありませんが、テキストを見ながら受けられるため、宅建試験のように覚える必要性がないことが、合格率が高い要因となっています
また、講習中に講師が修了試験のポイントをそれとなく教えてくれることが多いので、しっかり話を聞いていれば、出題される箇所が予想できるでしょう。
ポイントは講習に集中し、講師の話をしっかりと聞くことですね!
ただし、試験時間は決まっているので、答えを探すためにテキストを隅から隅まで読んでいると、時間切れになってしまう可能性があるので注意してください。
登録実務講習の申し込み方法や費用
では、登録実務講習を受ける場合の具体的な流れを紹介します。
不動産の実務経験がなく、宅建に合格した方、またはこれから宅建試験を受ける方は、ぜひ参考にしてください。
講習に申し込む方法
講習に申し込む方法は受講する機関により異なります。
一般的に必要になるものを以下にまとめます。
- 試験合格証のコピー
- 講習受講申込書
- 顔写真1枚
- 受講料払込済証のコピー
主な実施機関として、LEC東京リーガルマインド、日建学院、資格の学校TAC、総合資格学院があります。
上記4社は全国展開している大手の実施機関ですので、この中から選べば間違いありません。
Web上で手続き可能な機関も多いので、詳しくは受講する機関のホームページなどで確認するようにしましょう。
講習の費用
登録実務講習にかかる費用は、実施機関によって差があります。
一般的に20,000円前後の費用を設定している期間が多いのですが、中には10,000円以下の価格で受講可能な機関もあります。
ただし、重要なのは金額よりも、講習会場への通いやすさや講習日程です。
まずは自分の通いやすい講習会場から探すことをおすすめします。
まとめ
登録実務講習は、実務経験がない方でも宅建士としての資格登録を行うために必要なステップです。
講習では実務に役立つスキルを学び、修了証を取得することで実務経験の代替となります。
講習費用は20,000円前後が一般的であり、通いやすさや日程も重要な要素です。
登録実務講習は宅建士としての道のりの一部です。目標に向かって一歩ずつ進んでいきましょう。
- 登録実務講習とは何ですか?
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登録実務講習は、宅地建物取引士資格を持つ者が、実務スキルを磨き、実務経験を積むための講習です。宅建試験に合格後、登録実務講習を受講することで、法律や契約書の取り決め、実務業務の手法などを学び、宅地建物取引士としての実務能力を高めます。
- 登録実務講習の合格率はどのくらいですか?
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登録実務講習の合格率は、講習を修了し、評価試験に合格する割合を示します。合格率は地域や講習機関によって異なりますが、宅建試験に比べると難易度は低く、ほとんどの受験者が合格しています。
- 登録実務講習はどのような内容ですか?
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登録実務講習は、通信講座(約1か月)とスクーリング(1~2日間)、修了試験で構成されています。講習は宅建士としての実務スキルを習得するための内容になっており、修了すれば実務経験の代わりに資格登録が可能になる証明となります。