宅建試験は筆記試験なので、テキストや参考書を読んで過去問を解く勉強法が基本になります。
暗記で解ける問題もありますが、民法を始め、思考力を要する問題も多く出題されるため、暗記だけでは合格困難な試験です。
また、試験範囲が広いので、効率的な方法で勉強しなければ、膨大な時間がかかってしまいます。
そのため、間違った勉強法と正しい勉強法を理解しておくことが大切です。
そこで今回は宅建試験の間違った勉強法とその対処法について解説します。
宅建試験の間違った勉強法5選
はじめに間違った勉強法を紹介します。
現在、宅建試験に向けて勉強中の方は、心当たりのある点がないか、ぜひチェックしてみてください。
テキストや参考書を読み続ける
テキストや参考書を読むのは資格学習の基本です。
しかし、ただ読み続けるだけでは、宅建試験に合格する実力は身につけません。
テキストを読んだり講座を視聴したりする「インプット学習」を行いつつ、同時に問題集や過去問を解く「アウトプット学習」をすることが効果的な勉強法といえます。
宅建に限らず、テキストを読んで「理解したつもり」になることは、典型的な間違った勉強法です。
インプット学習を続けていても、合格する実力は身につかず、失敗に繋がりやすいので注意しましょう。
テキストや参考書をノートに丸写しする
テキストの内容をノートに書き写し「まとめノート」を作成する方は多いでしょう。
確かに読み続けるよりも、書き移す作業をしたほうが、記憶に定着しやすくなるので、一定の効果は見込めます。
ただし、テキストや参考書の文章をそのまま書き写すのは、非効率的な勉強法です。
もちろん、理解しにくい内容を自分なりにわかりやすくノートにまとめる方法は、それなりに効果はありますが、程度は考えなければなりません。
宅建の試験範囲は広いので、すべての科目でまとめノートを作成しようとすると膨大な時間がかかります。
そのため、まとめノートの作成は時間的ロスが大きく、効率的な学習にはならないでしょう。
これは私が実際にやってしまった失敗です。すべての科目の「まとめノート」を作成しましたが、それに要した時間に見合うほどの効果はなかったと感じています。
解ける問題を何度も解く
宅建試験では過去問や問題集を解くアウトプット学習が有効です。
過去問を10年分ほど解き、高い正答率が得られれば、合格に近い実力がついているといえるでしょう。
勉強をしていくうえで、過去問や問題集を繰り返し解くことになると思いますが、すでに理解している問題を何度解いても、実力は向上しません。
もちろん、時には解ける問題も復習する必要がありますが、苦手な問題や間違えやすい問題、よく理解できていない問題を中心に勉強するほうが効率的です。
苦手な問題は脳にストレスがかかるので、避けてしまいがちです。
過去問で勉強するときも、常に最初から解く必要はありません。
わかる問題は飛ばして、わからない問題をピックアップして勉強するようにしましょう。
過去問だけで勉強する
過去問は確かに有効な学習方法ですが、過去問だけに頼るのはおすすめしません。
過去問だけで勉強すると、目新しい問題や最新の法令・制度を問う問題には対応できないためです。
基礎知識や応用力を身につけるためには、テキストや参考書による勉強も大切です。
なお、古い過去問題集を購入すると、最新の法令に対応していないケースがあり、間違った理解をしてしまう可能性があります。
そのため、過去問題集を購入するときは、最新のものを選ぶことをおすすめします。
暗記だけで勉強する
宅建試験は単なる暗記では解けない問題が多く出題されます。
特に民法が中心となる「権利関係」の分野では、思考力を問うタイプの問題が多く出題されます。
そのため、過去問や練習問題を解くときは、ただ正解を確認して暗記する学習法では通用しません。
なぜその答えになるのか、どのような法的根拠があるのか、他の選択肢はなぜ間違っているのかなど、しっかりと理解することが大切です。
暗記だけで解ける問題がないわけではありませんが、それだけでは合格レベルには達しないでしょう。
挽回可能!間違った勉強をしていた場合の対処法
これから宅建試験の学習を始める方は、学習法をしないように気をつけましょう。
しかし、すでに宅建試験の学習中であり、間違った勉強法をしてしまった方もいるでしょう。
そんな方に向けて、間違った勉強法をしていた場合の対処法を解説します。
アウトプット中心の勉強をする
テキストや参考書のみを読み続け、インプット学習ばかりしていた方は、アウトプット中心の勉強方法に切り替えましょう。
特に過去問学習を積極的に行うことをおすすめします。
もちろん、過去問を暗記するだけで合格するのは困難ですが、まずは過去問で問題に慣れることが大切です。
目標としては、過去問10年分を解き、9割以上の正答率を出すくらいまで勉強すると良いでしょう。
模試を受験して実力を測る
模試(模擬試験)は受験は実力を測るための有効な方法です。
合格できる力があるかどうかがわかり、苦手分野や弱点も把握することができるでしょう。
模試で間違えた問題や得点の低かった分野を中心に学習すれば、より効率的な学習になります。
すでに過去問を丸暗記してしまい、本当の実力が測れなくなった方には特におすすめです。
過去問題をランダム形式にして解く
過去問を丸暗記してしまった方は、出題順序をランダム形式にして解く方法もおすすめです。
出題年度や分野ごとに問題を解く方法を何度繰り返していると、正解の番号まで覚えてしまい、実力が測れなくなりますが、ランダム形式にすると本番に近い状態で学習できます。
ランダム形式で過去問を解きたい場合は、宅建試験ドットコム「過去問道場」を活用しましょう。
上記のサイトでは、過去問の年度だけでなく、選択肢をランダムに並び替えて出題することが可能なので、模試を受けるような感覚で過去問学習ができます。
重要ポイントのみノートにまとめる
テキストをノートにそのまま書き写していた方は、一度作業を中断しましょう。
作成したまとめノートをもう一度見直し、重要なポイントは何か、よく考えてみてください。
自分がすでに理解している内容や、試験に出題されないポイントをノートに書き写しても意味がありません。
これは重要だと思う箇所を抽出し、苦手分野や試験に出るポイントのみに絞ったノートに作り直せば、サブテキストとして有効なツールになります。
特に試験直前に重要ポイントをおさらいしたいときは、自分でまとめたノートが役に立つことが多いでしょう。
通信講座で学習する
上記のような方法を駆使しても、独学では効率的な学習ができないと感じる方も多いでしょう。
宅建試験は年々難化傾向にあるので、テキストと過去問をメインにした学習では、厳しくなってきているのも事実です。
より効率的に学習した方は、費用はかかりますが、通信講座を活用することをおすすめします。
通信講座を活用すれば、専門の講師のわかりやすい解説が受けられ、学習のコツや試験の重要ポイントも教えてもらえます。
また、忙しい社会人の場合はスキマ時間を有効活用することも大切です。
以下の記事で忙しい社会人向けのおすすめ通信講座を紹介しているので、ぜひご覧ください。
まとめ
最後に宅建試験の間違った勉強法と対処法について、ポイントをおさらいします。
- テキストを読み続ける方法やノートに書き写す方法では合格できる実力はつかない。
- わかる問題だけ解いても実力はつかない。
- 暗記に頼る勉強をしてしまった場合は、模試を受けたり、ランダム形式で過去問を解いたりすると良い。
- 重要ポイントのみをもう一度ノートにまとめると良い。
- 通信講座を受けると効率的な勉強ができる。
宅建試験は年々難化していますが、時間をかけ、正しい方法で勉強すれば、決して合格できない試験ではありません。
これから宅建試験の勉強を始める方は本記事の内容をぜひ参考にしてください。
また、すでに間違った方法で勉強を進めてしまった方も挽回は可能です。
一度勉強方法を見直して、効率的な勉強方法へ切り替えてみると良いでしょう。